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遺品整理代行業ニーズの背景
日本は総人口(総務省統計系局調査 2019年9月15日現在)推計 1億2617人のうち、高齢者人口(65歳以上)は3588万人(全体の28.4%)となり過去最高となりました。

区分別人口及び割合。高齢者の割合が年々増加。総務省統計局より抜粋。
また、高齢者がいる世帯数(内閣府発表 2015年)が2372万4千世帯と、全世帯(5036万1千世帯)の47.1%と約半数を占めています。
そのうち、高齢者の夫婦だけの世帯数は746万9千世帯(高齢者がいる総世帯の31.5%)と一番多く、高齢者だけの単独世帯624万3千世帯(高齢者がいる総世帯の26.3%)と合わせると半数を超える状況となっています。

65歳以上の者がいる世帯数と家族構成。内閣府HPより抜粋
日本は現在、高齢化、核家族化の波が押し寄せ、それに伴って遺品整理や生前整理といった家財整理の需要が年内急激に高まってきております。
増え続ける遺品整理業者
日本の高齢化社会により、遺品整理業者も年々増え続け、それに比例して遺品整理業者と消費者との間でトラブルも増えております。
遺品整理業界も遺品整理士認定協会などが発足し、業界の健全化や専門家の育成などに努めていますが、家財整理には、不用品処分、買取、資源リサイクルなど、業務が多岐に及び、また、その一つ一つがさらに専門分野に分かれる上、遺品の処分や買取などは定価や相場は存在せず、遺品整理の費用はその業者ごとの専門性や業態、独自の基準に依存せざる得ません。
例えば非常に安く家財を適性に処分できる業者であっても、骨董品や高級時計、ブランド品の査定知識がないために、遺品整理の中にそれらの高価なものが入っていても、すべて不用品として費用を計算せざる得ない場合もありますし、反対に買取は高いけれど処分代は高いという業者も存在します。
そうした遺品整理、生前整理という曖昧な大きな枠組みの中で悪徳な業者がそれにつけ込んだり、遺品整理業者から消費者にきちんと説明がされていなかったりと、消費者から様々なトラブルが報告されています。
遺品整理トラブルの相談事例
近年、国民生活センターは 遺品整理のトラブルにおいて、2013年度には73件、2014年度は109件、2015年度は90件、2016年度は114件、2017年度は105件の相談が寄せられていると報告し注意喚起を呼びかけています。
具体的には下記の4つの代表的な相談事例を挙げています。
【事例1】
見積もりの際にせかされて契約したが、作業が始まらないので解約したい。
【事例2】
解約を申し出たら高額なキャンセル料を請求された。
【事例3】
作業時に予定外の料金を請求され、最終的に見積金額の2倍の費用を請求された。
【事例4】
処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された。
※国民生活センターWEBサイト: http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180719_1.html
また、その他にも下記のようなトラブル事例も遺品整理業界では頻繁に聞くことがあります。
【事例5】
遺品の中に高額な金品が混ざっていたけれど、遺品整理業者がそれを依頼者に報告せず副収入として得ていた。
【事例6】
遺品整理で回収されたものが、不法投棄されていた。
【事例7】
トラック一台でいくらという料金形態の業者が物量を増やすために、意図的に荷物をかさばるようにトラックに積み込み、必要以上の費用を請求された。
トラブルを避けるためのアドバイス
1. 相見積もりを取る
複数社から見積もりを取るなど、遺品整理業の選定は慎重に行いましょう。作業内容や費用を明確に出してもらうなど、見積書の内容を十分に確認しましょう。
2. 各種許認可をもっている業者選び
古物商許可証や廃棄物処理業など業務に関係する許認可、また遺品整理士として認定を受けているのかも安心材料の一つになると思います。
3. 見積の内訳やキャンセル料などの明確化
具体的な作業内容について事前に確認するようにしましょう。また、全て、一部の作業をキャンセルした場合に費用が発生するのかも確認しておくことも大切です。
4. できるだけ事前の分別作業
遺品整理業者が作業に入る前に、残しておく遺品と処分する遺品、買取を依頼するものなどできるだけ明確に分けておくようにしましょう。作業前に証拠として写真を撮ったり、業者が分かりやすいようにどの遺品を残すのかステッカーを貼ったりするのも有効です。
安心安全な遺品整理業者選びを!
遺品整理業者を選ぶ上で、大切なことはまずは依頼者自身が遺品整理に関する作業を把握するのが大切です。
遺品整理といっても物件によっては、上記のように広範囲に作業や業務が広範囲に及びます。
また、各業務はそれぞれの分野の専門の業者、士業が存在いたします。
どこからどこまでをどこに依頼するのか、また、それぞれの業者はどこからどこまでを専門としてサポートしてくれるのかを把握するのも重要です。